僕は自己肯定感が低い。
厳密にはQAエンジニアとして働く上で自己肯定感の低さを感じるのである。
なぜ自己肯定感が低く感じるのか。
QAエンジニアとして働き始めて約9年。
日々、自己肯定感がなぜ上がらないんだろうと思ってきたが、
ようやく解消できはじめてきたのでなぜそう思っていたのか、そしてこれまでどういったアクションを起こしてきたのかを言語化してみる。
(※ここでいうQAエンジニアという表現は、QMファンネルでいうところのテストエンジニアに近しいが便宜上QAエンジニアと呼ぶこととする)
開発エンジニアに対する劣等感
自己肯定感が低くある理由はこれが一番大きい。
QAエンジニアは専門性が高いので下に見るのはナンセンス。QAエンジニアは劣等感を持たなくてよい、と言われることもある。
これは一切否定しない。が、これはQAという専門性を一定のレベルまで高めている人だけなのではないかという気がしてならない。
自分のレベルだと開発エンジニアに取って代わられてしまうのではないかという危機感が常にある。
その理由は今思うと自分が思うQAエンジニアと開発エンジニアは非対称的なスキルセットだからなのだと感じている。
開発エンジニアは当然(スキルの程度やレベルはあれど)コーディングが行えるし、一定のテストスキルを習得すればQAエンジニアと近い業務が実行可能であるのに対し、コーディングスキルのないQAエンジニアは開発エンジニアと同等の業務は行えない。
これが自己肯定感が上がらない(=劣等感)の正体なのである。
開発エンジニアがテストに興味を持ち始めたら取って代わられてしまう。
「俺らの組織、QAエンジニア要らなくね?」を思われたら最後だ。ずっとそう思っていた。
実際に言われたこともある。なにも言い返せなかった。
JaSST'14 Tokyoのクロージングセッションで語られたと言われている以下のテスタースキルマップが非常に自分が言いたいことを表していると思う。
https://jasst.jp/symposium/jasst14tokyo/pdf/H8-2-2.pdf
テストスキルも突出しているわけでもなく、ソフトスキルやITスキル、ドメイン知識も一定水準未満。
これだと劣等感を感じてしまうわけだ。
なのでいずれかを伸ばしていく必要があると考えた。
ITスキルを伸ばそうとしてみた
開発エンジニアとQAエンジニアのスキルは非対称的なスキルセットであると思ってしまっているのが原因でこれを解消するのが重要だと考えた。
具体的には以下を行った。
- Progateでプログラミングを学んで適当なソフトウェアを開発してみる
- (やったこともないのに)業務でE2Eのテストコードを書きたいとわめき散らかす
Progateはだいぶ効果的だった。
プログラミングの知識や経験が0→1になるだけで相当違う。
これまでは開発者と会話しているとき「しばしば宇宙語をし喋らないでほしい」と感じていたがようやく日本語であることが理解でき始めた。
そして実際に適当なソフトウェアを開発してみるのも良かった。
実際はほとんどChatGPTが書いてくれたがソフトウェア開発の一連の作業が理解できた。
有難いことに前職で福利厚生を使わせていただきProgateは手出し0円で契約をして学ばせていただくことができた。
前職の上司には本当に頭が上がらない。
そして足並みを揃えて一緒に開発を学んだQAの同僚にも感謝をしたい。
E2Eのテストコードを書き始めたのも良かった。
弊社は Praiwright を使ってE2Eテストを書いていて、基本的にはフロントエンドエンジニアが実装を進めてくれている。
が、この仕事を今自分が一部奪い始めている。
実際のチーム開発でどう開発を進めていくのかということも分かったのが良かった。
もちろんコードベースでE2Eテストが書けるようになれたのも嬉しい。
実際にはまだまだわからないことだらけだが。
テストコード実装のお作法は勿論、VSCodeの使い方からCommitの仕方まで懇切丁寧に教えてくださった現職の同Groupのフロントエンジニアにも頭が上がらない。
もっと頑張っていきたい。
ソフトスキルも意識して上げていく
個人的にはQAエンジニアはソフトスキルがものを言うと思っている。
だれかがやらないといけないが拾われなさそうな仕事を率先して拾う。場を盛り上げる。議論内容をまとめる。ファシリテートをする。など。
以前までは「リーダーがやってくれるしな」、や「わざわざ自分がやらなくても」という意識が少なからずあったらこういう仕事をなるべく行うようにした。
別にQAエンジニアがやらなくても、、、という意見もあるかもしれないがこういうのが一番重要だと感じはじめている。
プロダクトの品質もチームの品質もこういうところに出てくると信じている。
まとめ
これらを行ってきたことで自己肯定感はプラ転した。
引き続き頑張っていきたい。
ようやくQAという仕事が楽しくなってきた。